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交通事故で打切られずに通院するための8つのコツ【プロの示談交渉術】

2019年3月11日


こんにちは、損保社員の丸山です。

このページを見られている方は、交通事故に遭われ大変な状況にある方だと思います。

交通事故は苦労の連続だと思いますが、特にこんな疑問や不安はありませんか?

よくある疑問や不安

  • 交通事故で怪我をしてしまった。
  • 事故担当者がかなり強情で、話を聞いてくれない。
  • または、そうなってしまうんじゃないかと不安…
  • この「打切り交渉」に対応策は何かないかな?

そこで私の損保社員としての経験を踏まえ、

丸山
交通事故の示談の世界では、謎の風習「打切り交渉」というものがあります。

そこで、打切りの被害に遭わずにちゃんと怪我が治るまで通院するためのコツをお伝えします!


打切り交渉の事前知識

打切り交渉とは

「打切り交渉」とは、事故担当者が被害者に対して「治療はいつまでです!」と治療終了を求める交渉のことをいいます。

本当はいつまでの賠償が行われるの?

法律上の賠償は、「症状固定」となるまで行われます。「症状固定」とは、治療を行っても改善が殆ど見られない状態をいいます。たとえば、その日は良くなるけど、翌日には元に戻っている状態などは症状固定の代表例です。

そして、症状固定時点で痛みが残っている場合は、後遺障害を申請する、というのが本来あるべき流れです。

交通事故の後遺障害で損をしない方法を徹底解説【怪我が良くならない】

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打切り交渉が行われる理由

「悪質な被害者」のせいで生まれた風習

打切り交渉が行われる根源には、悪質な被害者の存在があります。交通事故をチャンスと思い、痛くないのに嘘をついてお金をせしめようとする被害者が少なからずいるんです。

「むち打ち」は本人にしかわからない

そもそも、交通事故で最も多い傷病である「捻挫=むち打ち症」は、症状を他人が把握することが非常に難しいんです。医者でもわからない。なので、被害者の立場から事故担当者を騙そうと思えば騙せるし、事故担当者の立場から被害者の状況を把握することは難しいというのが実情です。

事故担当者の頭の中を知ろう!

そんな悪質な被害者に対抗するために、行われるのが「打切り交渉」です。打ち切り交渉の被害に遭わないために、まずはどんな材料をもって打ち切り交渉を仕掛けるか?を知っておきましょう。

以下の3つの材料をもって、逆に「この人は本当に痛いんだろうな」と思わせればいいんです。

事故担当者と関係を築く材料

  • 被害者の性格(詐病を行うような人か)
  • 事故態様や車の修理内容から見えてくる衝撃の大きさ
  • 医師への治療状況や方針の確認結果

打切り交渉を未然に防ぐ3ステップ

step
1
事故担当者と良好な関係を築く

上でも説明しましたが、事故担当者はあなたの性質を見定めています。であれば、事故担当者といい関係を築いておくのが一番の近道でしょう。

ただ、友人と接するのと同じように誠意をもって接するだけでいい関係は築けます。こんな簡単なことはないですよね。

step
2
医師と今後の治療について随時相談する

事故担当者は医師の判断を最重要視します。なので、あなたと医師の間で治療が決まっていれば、急に打切りをされる可能性もかなり低くなるんです。

ただし、保険会社が警戒している「悪徳病院」もあります。そのような病院のいうことを事故担当者は聞きません。そういう意味では、評判の悪い病院を避ける病院選びというのもひとつ重要なポイントかもしれません。

step
3
医師との相談結果を事故担当者へ報告する

【STEP2】の相談結果を事故担当者へ随時報告しましょう。事故担当者との関係性も良くなりますし、事故担当者は安心してあなたの治療を見守れるようになれます。

もし打切りをされたら…プロしか知らない5の対抗手段

【手段①】事故担当者と「根拠ある交渉」をする

事故担当者が打切り交渉をしてきたということは、あなたは「症状固定」だと考えているということです。つまり、口で「まだ痛いんです!」と言っても、事故担当者は「はいはい。」としか思いません。

このような場合は、上述の「材料」のから、事故の衝撃の大きさを根拠として交渉しましょう

  • 事故態様:相手の自動車がどこにぶつかって、どう身体が動いたか
  • 自動車の修理費用:50万円以上掛かっていると十分交渉材料になります

【手段②】医師の見解を落としどころとする

【手段①】を聞き入れてもらえない場合は、医師に「いつまでの治療で症状固定にいたるか」を確認してもらい、医師の見解に従うことを落としどころとしましょう。これにNOという事故担当者はいないはずです。

【手段③】弁護士へ委任する

これ以降に紹介する手段は、どうしても納得できない場合の「最終手段」です。それなりの手間や費用も掛かります。最終手段のひとつは、弁護士へ委任し訴訟まで視野にいれた交渉をすることです。

当然に弁護士費用がかかりますが、弁護士費用特約へ加入していれば補償を受けられます。

【手段④】交通事故紛争処理センターへ相談する

交通事故紛争処理センター」とは、あなたと相手の間に弁護士が入っくれる機関です。

無料なのが嬉しいですが、相談はあなた自身が行わなければいけないうえに、所在地も主要都市にしかありませんので手間はかなり掛かります。

知り合いの弁護士がいなくても大丈夫

インターネットで弁護士を紹介してくれる無料サービスがあります。
「ベテラン弁護士がいい!」や「土日営業だと助かる…」など、自分で探すと大変な条件も考慮したうえで紹介をしてもらえます。

≫おすすめ:相談窓口案内サービス|日本法規情報

【手段⑤】自賠責保険へ「被害者請求」をする

「被害者請求」とは、相手の「自賠責保険」へあなたが請求することをいいます。別の言い方をすると、事故担当者を無視するということです。

かなり複雑な手続きを要しますが、以下の記事を見れば誰でもできるように説明しています。

交通事故の打切りで揉めた場合の裏技!被害者請求を徹底解説【示談の裏技】

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まとめ:打切り交渉に備えよう

自分と事故担当者の双方にとって、「打切り」という無駄な交渉をしないことが一番望ましいことです。

そのために、「私は信頼に足る人間だよ」「詐欺なんてしないよ」という情報をしっかりと事故担当者に伝え、信頼関係を築きましょう。

おすすめ:「交通事故に関するすべてをまとめた」記事があります。

本記事のように、交通事故に関して必要な知識をまとめた記事を用意しています。

これを見れば、辛い交通事故も少しは楽になるかなと思うので、ぜひ見てください。

【保存版】交通事故のすべてをまとめました。【過失割合・示談金など】

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  • この記事を書いた人

丸山(Maruyama)

損保会社で事故担当や営業企画を歴任する。大学時代に、行政書士を取得。就職後に、ファイナンシャルプランナーと証券アナリストを取得。趣味は、ジョギングしながら色んなジャンルのYOUTUBE動画を聞き漁ること。

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