火災保険を調べているけど、いまいち保険料以外の違いがわからない。
そんな疑問を持たられている方は多いのではないでしょうか。そのような方に向けて、この記事では、
この記事でわかること
火災保険を比較する5つの視点
ランキングを提示する前提として、プロが火災保険を比較する際の考え方をお伝えします。流し見で結構なので見てみてください。
比較基準1.補償内容
火災保険ごとにかなり差の出てくる部分が、補償内容の充実度です。具体的には以下の2つの視点で考えることができます。
- 補償内容が揃っているか
- カスタマイズ性があるか
殆どの火災保険では最低限の補償内容が完備されています。そこで、ポイントになるのは「費用保険金」と呼ばれる基本的補償に+αで支払われる保険金の充実度です。
また、最近では「自分のニーズに合わせて火災保険を自由にカスタマイズしたい」という考えを持つ方がかなり増えており、そこに対応した補償設計に自由度があるかないかで火災保険が分かれています。
比較基準2.付帯サービス
付帯サービスとは、火災保険加入者が無料で利用できるサービスのことです。この付帯サービスも、火災保険ごとに差がある部分です。しかし、火災保険に入ってみると実際はあまり利用しなかったりするので、「補償内容」よりも重要度は落ちます。
業界標準としては、以下のような付帯サービスを展開しています。この業界標準に加えて、どのような付帯サービスを展開しているかが評価ポイントとなります。
- 水回りトラブルのサポート
- 鍵トラブルのサポート
比較基準3.保険料
保険料は、火災保険の比較において最も重要なポイントです。一方で、どうしても上述の「補償内容」や「付帯サービス」の充実度と反比例してしまいます。
また、加入条件によって保険料の安さの優劣はバラバラになってしまいます。そこで、当ランキングでは極力全般的な平均の保険料水準で評価をしています。
実際に保険料を安くするためには、多くの保険料見積もりを取る必要があります。以下の一括見積もりサービスが非常に便利なので利用してみてください。
比較基準4.利便性
利便性とは、加入や異動などの手続きを行う際の便利さをいいます。具体的には、時間にも場所にも縛られない「WEB手続き」の普及具合で評価します。
比較基準5.財務安全性
財務安全性とは、簡単にいえば「保険会社がどれだけ潰れないか?」というものです。大きな地震や台風などが生じた際に、保険会社の資力が不足していると保険金を払えずに倒産なんてことも考えられます。
そこで、当ランキングでは第三者機関が行う格付けをもとに評価をしています。
プロがおすすめする火災保険ランキング
以下の主要火災保険会社について、プロ目線で徹底的に評価したうえでランキングを作成しました。
- 東京海上日動
- 損保ジャパン
- 三井住友海上
- あいおいニッセイ同和損保
- 日新火災
- AIG損保
- SBI損保
- ジェイアイ傷害火災
- セコム損保
- セゾン自動車火災
- 楽天損保
1位:楽天損保
総合評価 | 4.8 |
補償内容 | 5 |
付帯サービス | 4.5 |
保険料 | 5 |
利便性 | 5 |
財務安全性 | 4 |
楽天損保のポイント
- 充実かつカスタマイズ性の高い補償内容
- 生活面のサポートが充実した付帯サービス
- 楽天ポイントと連動し、保険料の1%が貯まる
評価内容
楽天損保は、1951年より営業してきた朝日火災海上を買収する形で2018年にスタートした新しい損害保険会社です。「本当に必要な補償を、お手ごろな保険料で、確実にお届け」をキーワードに事業を展開しています。主力商品「ホームアシスト」のほかに、非掛捨てである「スーパージャンプ」も販売しています。
楽天損保の一番の特徴は、カスタマイズ性が非常に高いことです。火災・風災等以外の補償を自由に選ぶことができるので、「自分に最適な火災保険」を作り上げることができます。
付帯サービスである「ハウスアシスタンスサービス」では、水回りトラブルや鍵トラブルといった業界標準のサポートに加えて、窓ガラス・エアコン・給湯器のトラブルなどの広範な生活サポートを出張・作業料無料で受けられます。特に、他社では有料であるドアロック交換費用まで無料であることに、サポートの手厚さを感じます。
保険料の1%が楽天ポイントになることも、楽天ポイントユーザーとしては嬉しいところです。SPU(楽天市場で買い物した際のポイント制度)においても倍率が+1倍されるなど、「楽天生活圏」で生活するユーザーには大きな恩恵があります。
保険料については、かなり安い保険料水準となっています。水災部分に関しては、災害発生予測をもとに保険料を算出しているため、保険料に対する納得感もあります。
2位:日新火災
総合評価 | 4.5 |
補償内容 | 4.5 |
付帯サービス | 4 |
保険料 | 4.5 |
利便性 | 5 |
財務安全性 | 5 |
日新火災のポイント
- 欠点のない火災保険
- 代理店型損保として唯一WEB申し込みが可能
- 保険料水準はかなり安い
評価内容
日新火災は、1908年に創業の東京海上グループに所属する損害保険会社です。損保業界における地位(シェア)は決して高くなく、地域密着でコツコツと事業展開をしている印象があります。火災保険としては主力商品「住自在」を展開しており、その他にもオールリスク型「住宅安心保険」やマンション管理用「マンションドクター」があります。
日新火災の一番の特徴は、欠点がなく全項目で高評価であることです。知名度の高い火災保険ではありませんが、この総合力の高さで第2位となりました。
まず補償のカスタマイズ性が非常に高く、火災等以外の補償を自由に選ぶことができます。これにより、自分のニーズに合わせた補償設計が可能となっています。
古くからの代理店型損保としては珍しく、「住自在」はインターネットによる申し込みで手続きが完了します。こうした形態を取っている火災保険はダイレクト型損保でも珍しく、日中働く方にとって利便性はかなり高いです。
保険料はかなり安い水準にあります。上述のカスタマイズ性も相まって、他社比較をした際に最安額となることも少なくありません。
3位:ジェイアイ傷害火災
総合評価 | 4.3 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 3 |
保険料 | 5 |
利便性 | 5 |
財務安全性 | 3.5 |
ジェイアイ傷害火災のポイント
- 保険料が業界最安水準
- カスタマイズ性が非常に高い補償内容
- WEB手続きですべて完結できる高い利便性
評価内容
ジェイアイ傷害火災は、1989年にJTBとAIGが「旅行保険のエキスパート」として創業した損害保険会社です。火災保険への参入は2018年と非常に直近であり、「ieho いえほ」を販売しています。
補償内容のカスタマイズ性が非常に高いことが特徴で、火災等以外の補償を自由に選ぶことができます。そのため、不要な補償に無駄な保険料を払うことなく、最適な補償設計をすることができます。
保険料を安くできる「フランチャイズ方式」を水災を除くすべての補償に対して用意しています。これにより、「10万円までの修理なら自費で払うけど、それ以上は保険金が欲しい」という複雑なニーズに応えることのできる商品設計となっています。
手続きに関する利便性もかなり高く、インターネット上であらゆる手続きを完了することができます。対面や電話などで無駄な時間を掛けずに、手続きを完了できる点は素晴らしいです。ただ、表裏の関係にはなりますが、プロとじっくり相談しながら決めるということはできません。
保険料については、事務コストや営業コストを徹底して削減することにより、業界最安クラスの保険料水準を実現しています。
4位:セコム損保
総合評価 | 4 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 3 |
保険料 | 4 |
利便性 | 5 |
財務安全性 | 4.5 |
セコム損保のポイント
- インターネット契約と代理店契約から選べる加入方式
- 費用保険金の充実した補償内容
- 付帯サービスは無いに等しい
評価内容
セコム損保は、1950年に創業したのち、1998年に警備会社であるセコムの傘下になった損害保険会社です。火災保険としては「セコム安心マイホーム保険」を販売しています。
セコム損保では、自分で考えたい方向けの「インターネット契約」と代理店と相談しながら決めたい方向けの「代理店契約」の2つから加入方式が選択可能です。個々人の好き好きがかなり分かれるポイントなので、2つの方式が用意されているのは嬉しいです。
警備会社が親会社であるという特徴に合わせて、「セキュリティ・グレードアップ費用保険金」や「ホームセキュリティ割引」といった家の防犯を強化することに特化した商品となっています。「火災保険にそれを求めるか?」ということは別として、かなり面白い特徴です。
残念なのは、付帯サービスが実質的には何もないこと。盗難事故発生時に壊されたガラス等の修理サービスがありますが、どちらかというと基本補償をすべき内容です。
付帯サービスが業界標準を下回る分、保険料は平均よりやや安い水準にあります。
5位:あいおいニッセイ同和損保
総合評価 | 4 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 4.5 |
保険料 | 4 |
利便性 | 3 |
財務安全性 | 5 |
あいおいニッセイ同和損保のポイント
- 費用保険金の充実した補償内容
- 風災に「フランチャイズ」を選択できる
- 補償プランのバリュエーションが乏しい
評価内容
あいおいニッセイ同和損保は、MS&ADグループに所属する損害保険会社です。MS&ADグループには他に三井住友海上も所属しており、各所で経営協力を行っています。火災保険としては、「タフ・住まいの保険」を主力商品として販売しています。
補償内容は基本的な補償が揃っていることは勿論、費用保険金の種類が多く充実しています。また付帯サービスも、業界標準である水回り・鍵トラブルに加えて、弁護士や税理士への無料相談まで幅広い付帯サービスが用意されています。
風災に限った話ですが、「フランチャイズ」という保険料を安くする仕組みをが選択可能です。これにより、「10万円までは自分払うけど、それ以上は保険金で対応して欲しい」といった細かなニーズへ対応できるように商品設計がされています。
しかし、補償プランのバリュエーションはたったの3種類しかありません。そのため、自分のニーズに完璧に合った補償選びは難しいでしょう。
保険料は平均より少し安い水準です。割引制度として、「建物家財セット保険料優遇」が用意されており、建物と家財の両方で火災保険に加入すると保険料がお得になります。
6位:SBI損保
総合評価 | 4 |
補償内容 | 4.5 |
付帯サービス | 4.5 |
保険料 | 3 |
利便性 | 4.5 |
財務安全性 | 3.5 |
SBI損保のポイント
- カスタマイズ性に優れた商品設計
- 生活を広範にサポートしてくれる付帯サービス
- 保険料水準はあまり安くない
評価内容
SBI損保は、元ソフトバンク系であるSBIグループ傘下の損害保険会社です。2008年より営業を行っており、火災保険をはじめとした損害保険をインターネットを通じて販売しています。
補償設計のカスタマイズ性が非常に優れており、火災等以外は好きに選択することができます。これにより、無駄な保険料を支払うことなく、自分に最適な火災保険を作ることができます。
付帯サービスもかなり充実しています。「安心のハウスサポートサービス」では、業界標準である水回りトラブルや鍵開けトラブルに加えて、窓ガラスの破損や電気ガス設備のトラブルなどにも対応しています。
保険料は少し高めの水準にあります。ちょっと変わった割引制度が充実しており、「ノンスモーカー割引」では居住者が非喫煙者であれば割引を受けることができます。
7位:セゾン自動車火災
総合評価 | 3.8 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 4 |
保険料 | 3 |
利便性 | 4.5 |
財務安全性 | 4.5 |
セゾン自動車火災のポイント
- カスタマイズ性に優れた商品設計
- 無料で展開される付帯サービスがない
- 保険料水準は高めの設定
評価内容
セゾン自動車火災は、1982年の創業後にセゾングループ傘下となった損害保険会社です。火災保険としては、「じぶんでえらべる火災保険」というカスタマイズ性を全面に押し出した商品を販売しています。
商品名「じぶんでえらべる火災保険」のとおり、カスタマイズ性は非常に高いです。火災等を除いて、自分の好きなように補償を選択することができます。これにより、無駄な保険料を掛けずに必要な補償だけを付帯することができます。
一方で、付帯サービスが何も一切ありません。実際に契約してみるとあまり利用しないというのが付帯サービスの実態ですが、何もないというのは正直お得感に欠けます。
保険料水準は高めに設定されているものの、上述のカスタマイズ性の高さによって、実際の見積もりではかなり安い保険料が提示されることが多くあります。
8位:東京海上日動
総合評価 | 3.8 |
補償内容 | 3.5 |
付帯サービス | 3 |
保険料 | 4.5 |
利便性 | 3 |
財務安全性 | 5 |
東京海上日動のポイント
- 費用保険金がとても充実した補償内容
- 補償のカスタマイズ性が悪い
- 保険料水準はかなり安い
評価内容
東京海上日動は、140年の歴史を持つ損害保険業界のリーディングカンパニーです。当ランキングの順位としては低位にあるものの、しっかりとした特徴のある火災保険「トータルアシスト住まいの保険」を販売しています。
「地震火災費用保険金」をはじめとした他火災保険では有料オプションとなるような費用保険金が9つも用意されています。主要火災保険内で最高の補償充実度となっています。
それにも関わらず、保険料はかなり安い水準を保っています。割引制度も「WEB証券割引」をはじめとして多種用意されており、更に保険料を安く抑えることもできます。
唯一の欠点は「フルパッケージ型」といわれる補償形態です。殆ど選択の余地がなく、すべての補償がフル付帯されてしまいます。契約期間も1~5年という短期更新型しかなく、補償のカスタマイズ性は絶望的にありません。
9位:損保ジャパン
総合評価 | 3.8 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 5 |
保険料 | 3 |
利便性 | 3 |
財務安全性 | 5 |
損保ジャパンのポイント
- 弁護士相談から生活サポートまで幅広く用意された付帯サービス
- 「評価済保険」により契約期間中は変わらない保険金額
- 保険料は高い水準にある
評価内容
損保ジャパンは、損保業界シェア3位を誇る損害保険会社です。「挑戦」を企業テーマとしており、火災保険「THE すまいの保険」もかなり特徴的な保険となっています。
業界標準は水回り・鍵トラブルだけである付帯サービスが8種類にも渡り用意されており、各種生活トラブルの出張・修理費の無料サービスにはじまり、弁護士や税理士への無料相談まで行えます。
また、「評価済保険」という制度を導入しています。あまり知られていませんが、通常の火災保険では火災などに遭った際に建築資材単価等の動向に応じて保険金額を再計算したうえで、保険金が支払われます。しかし損保ジャパンでは、契約時に決めた保険金額を再計算することなく保険金として支払われます。
一方で、保険料はかなり高い水準にあります。補償設計のカスタマイズ性もあまり良くないので、実際の見積もりでも高めの保険料が提示されがちです。
10位:三井住友海上
総合評価 | 3.8 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 4 |
保険料 | 3.5 |
利便性 | 3 |
財務安全性 | 5 |
三井住友海上のポイント
- カスタマイズ性が高く、自由な商品設計が可能
- 80%以上の損壊で保険金額が全額支払われる
- オプション特約が非常に充実
評価内容
三井住友海上は、損保業界シェア2位を誇る損害保険会社であり、上述のあいおいニッセイ同和損保とはグループ関係にあります。火災保険としては「GK すまいの保険」を販売しています。
大手損保としては珍しいカスタマイズ性の良さを備えており、5種類のプランから選択することができます。そのため、かなり幅広いニーズに対応できる商品設計となっています。
「全焼・全壊時の建物保険金額全額払」という特殊な対応を行っており、80%以上損壊した場合には保険金額の100%が支払われるというお得な支払い対応をしています。実際は、他の火災保険でも査定担当の裁量内でやっていることなんですが、こうして大々的に打ち出してくれると安心感があります。
オプション特約を19種類も用意しており、基本的な補償では対応しきれないような各種リスクへ備えることができます。
11位:AIG損保
総合評価 | 3.8 |
補償内容 | 4 |
付帯サービス | 4 |
保険料 | 3.5 |
利便性 | 3 |
財務安全性 | 5 |
AIG損保のポイント
- あまり長所もない火災保険
- 「評価済保険」により変わらない保険金額
- 保険料は高めの水準にある
評価内容
AIG損保は、アメリカAIG傘下の外資損害保険会社です。2018年に外資であるAIU保険と日本企業である富士火災が合併して、AIG損保が誕生しました。火災保険としては、主力商品「ホームプロテクト総合保険」を販売しています。
全体的にあまり長所がないという悲しき火災保険です。上述の損保ジャパンで説明した「評価済保険」という制度を導入している点にひとつの特徴がありますが、これも長所かと言われると…ただの特徴です。
一方で、保険料は高めの水準にあります。割引制度は5つも用意されているという充実度のため、上手く活用することで保険料を安く抑えられる可能性もあります。
まとめ:保険料だけじゃない、火災保険の特徴がわかります
火災保険は保険料だけに注目されがちですが、当ランキングでは、保険料以外の視点も含めた火災保険の特徴を確認しました。
この記事のほかに、「火災保険の選び方」をプロがわかりやすく解説したおすすめの記事があります。プロの火災保険選びを0から100まで理解できる記事なので、是非ご覧ください。
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